読み物としても推薦
興味の無い人にもオススメしたい一冊。(啓蒙的な意味ではなく) 本書は、日本の側で憲法制定過程に関わった佐藤達夫氏による詳細な回想録であり日本国憲法の成立過程がいかに特殊――というより、ハチャメチャという他ない状況下の中で行われたかを詳細に綴っている。文体も極めて読みやすく、読みながら「おいコラ、それマジか!」とツッこみを入れられずにはいられないような驚愕の事実が次々と記される。 戦後日本史の重要資料としてのみならず、純粋に読み物として破天荒に面白い。いや、本当に、政治とかにまったく興味のなさそうなオネーチャン相手のネタとしても通じるぐらいの内容で、まさしく「事実は小説より奇なり」を地でいっている。 ただし、憲法制定過程をもっと包括的に知りたいという人には、本書と併せて、西修『日本国憲法はこうして生まれた』などを読んでみることをおすすめする。本書はあくまで、日本の法制局の当事者からの記録であるため、野党や民間の憲法案に対する記述や、極東委員会、そして何よりもGHQ民生局の動きに関する記述が極めて少ない。そちらも読むと、より楽しめるだろう。
先人は偉かったと言うべきか
実際に日本国憲法制定に携わった,法制局部長でもある筆者による回想録. 現行憲法成立過程を扱った書は数あれど,現場に携わった者の観点からの記録であるという点で,本書の重要性が分かるだろう.戦後日本史最重要資料の一つと言える. 憲法成立過程の概要を知るための読み物として考えても,類書と比較して,筆者の文体は,いい意味で堅苦しいところがなく,非常に読みやすい. 一読して思うのは,本書の後書きにもあるように,現行憲法制定過程が,いかに異常な状況であったか,ということである.その「異常な状況」を肯定するか否定するかは,読者個々人の評価の問題だろう.後世の評価を待ちたい. 個人的には,肯定するにしろ否定するにしろ,極限状況にも関わらず奮闘した先人の苦労には,思!!いを致すべきであると思う.
中央公論新社
新憲法の誕生 (中公文庫) 日本国憲法・検証1945‐2000資料と論点〈第3巻〉国会と政治改革―民主政治はどう守られてきたか (小学館文庫) シリーズ日本国憲法・検証 1945‐2000資料と論点〈第1巻〉憲法制定史―憲法は押しつけられたか (小学館文庫) 日本国憲法・検証1945‐2000資料と論点〈第7巻〉護憲・改憲史論 (小学館文庫) 日本国憲法・検証1945‐2000資料と論点〈第5巻〉九条と安全保障 (小学館文庫)
|